無題12
4月の1週目は悲惨だった。大学が始まる寸前。毎日のように通話してた。 通話の中では、会いたい会いたいとひたすら思いを伝えてた。 今まで自分はあまり人に頼ったりはしなかったが、ものすごい頼ってた。 無理に決まってるのが分かってるくせに、今すぐ隣に来いだとか、遊びに行こうよとか・・・。 今までの中でも1番遠距離の辛さが浮いた時期だった。3月26日に会った時の反動だと思う。 彼女も会いたがっていた。 大学が始まって最初の1週間も同じ状況が続いた。 自分のことは自分が1番よく知っているはずなのに、このころは見失っていた。 自分ってどんな人なんだろう・・・。 4月の上旬の金曜日、自分は大学の友達とお花見をした。 その日、自分は携帯を家に忘れてきた。朝にメールができなかった。 夜にメールできるだろうと思っていたのだが、意外とお花見が長く続く。 途中、友達が1人ふらふら状態になり、その友達を下宿先まで送ることになった。 思ったよりも手こずり、電車に乗れなかった。 なんとか終電には間に合ったのが、家に帰宅したのが翌午前1時。 これは何を意味するかっていうと、丸1日メールをしなかったんだ。 この日まで1年以上、ずっと続いていたメールが途切れてしまった。 友達を選ぶか彼女とのメール続行を選ぶか。変な葛藤が頭によぎったんだ。 さすがに目の前の友達を見捨てることなんてできなかったので・・・ 自分の中ではメールが途切れたことは若干ショックだったんだが、彼女の反応はそうでもなかった。 ちょっと悔しそうにしてたが、理由を話すと分かってもらえた。 大学が始まって初めての週末、次の週からは講義がまともに始まるので通話はできないだろうと思い、 また長時間通話。 夜から通話を初めて意識が薄い夜中もずっとつなぎっぱなしで、朝になっても昼になっても切れず、夜に切った。 時間にすれば20時間ぐらい。相変わらず半端ない・・・ 通話してると無性に会いたくなって、甘えてしまう。 「隣にこいwww」「本気で言ってるの?w」 最初は冗談で今すぐに会いに来てほしいなんて言ってたんだが、何度も言ってるうちに本当に会うことになった。 大学にまだ慣れていない彼女が、1週間で数少ない休みの土日にきてくれる。 会うことを決めてから、すぐに日時と場所、交通手段、そして泊まる場所まで決めて予約してしまった。 展開が早すぎる・・・。 4月18日。大学の講義があったおかげで会う日まですぐに来てしまった。 彼女が初めて大阪に来る。待ち合わせ場所は新大阪駅。時間は12時43分到着の新幹線に合わせてそれぐらい。 1泊2日だが、次の日の大学も考えて19日の13時半ごろの新幹線で帰るという予定。 17日は、興奮してなかなか眠れなかった。遠足前の小学生の気分と表現するのが1番近いかもしれない。 18日はいつもどおり5時代に起床。 大学が始まってから毎日6時半に家をでる生活をしてるおかげで早起きと短い睡眠時間でも 大丈夫なことは身についていた。 7時前に彼女からメールがくる。家を出たとのこと。 そんなメールが来てもまだ、今日会うということを実感できない自分がいた。 彼女と何通かメールをしながら、出かける支度をした。 着替えと高校のときのアルバムぐらいしか入っていない鞄をもって駅に向かった。 新幹線到着の20分ぐらい前に新大阪駅に到着。新幹線の改札口前でつったっていた。 あいかわらず人が多い駅。駅員さんたちが走り回っていた。 もう京都ぐらいかな?そんなメールを送ってみるのとほぼ同時に京都にいるよというメールがくる。 狙ってるわけじゃないのにタイミングが同じなんてことは今まで何回もあったのに 変に運命を感じてしまうのは何かの魔法にかけられているんだと思う。 気がついたら新幹線の到着を知らせる液晶画面に彼女が乗っているはずの「のぞみ」が到着状態になっていた。 改札付近から彼女を探した。人が多くてなかなか見つけられないが、なんとなくこっちを見ている女の子がいた。 面影だけで本人だと分かってしまったが、あえてこっちからはアクションを起こさなかった気がする。 記憶はあまりないが、なんとなく近づいて行ったら、彼女もこっちのほうに歩いてきた。
続きはこちら↓