無題7
何もしてないのに会う日が近づく。 彼女は友達と卒業旅行やら、なにかと予定が入っていた。 予定が空いている日は長いこと通話していた。10時間越えもあった。 一緒に寝てしまったこともあった。話が全然終わらないこともあった。 今考えればありえない20時間越えも起こってしまった。 会話の内容自体はどうでもいいことすぎる。 たまに話すネタが切れることもある。 でも通話を切りたくなくて、何か用事ができない限り終わることができなかった。 時間を共有するだけで特別な思いでいれた気がした。 少しぐらいは真面目な話もしていた。 泊まる時の夜の話。さすがに自分はビビっていた。 経験がないのは当然のことながら、知識も中学生レベル。 というか学校の保健の授業以外にまともにそういうことを勉強したことがなかった。 ネットサイトとか人の話とか聞いて少しずつ知識を蓄えていったつもり。 結果的にそれほど知識は蓄積しなかった。ある日そういう話を彼女とした。 やっぱり無理しないのが1番。 自分の大切な人の人生を失敗させかねないので安全策を選ぶ。当たり前のことだね。 通話とチャット、メールを毎日のように今までどおり繰り返し、気がつけば会う日の前日。 前日も通話をした。 「今から会いにいくんだよww」 「全然実感ないんだけどww」 会話でもあったが、実感がなさすぎて困った。荷物の整理も家を出発する1時間前にしたぐらい。 仙台へ向かうためのバスに乗る。京都駅八条口にバスがくるらしい。 八条口に行ってみたが、時間になってもバスが来ない。ものすごくあせった。 というのも、ネット予約の高速バスで、正規のバス停がない。もしかして、ハメられた? 周りをみても同じバスを待ってる人がいないし・・・ ・・・\(^0^)/ 予定より15分ぐらい遅れてバスが来ました。ものすごく安心( バスに乗り込むとすでに、大阪駅から乗っていた乗客がたくさん。指定席なのでしっかり席はあった。 真ん中のほうの窓側。窓側ってのはホントにうれしい。 バスの中では本読んだり、メールしたり、会った時のことを考えたりして時間をつぶした。 予想はしていたが、全く眠れない。 夜中はメール相手もいないうえに消灯されて本も読めないしひたすらさびしかった( 途中、トイレ休憩のサービスエリアごとにトイレに向かった。 確実に東北へ向かってることが実感できた。 地名は詳しくないのでサービスエリアの名前が分かっても何県のどの辺にあるかなどは分からない。 でも気温があからさまに低かったり、雪が積もっていたりしているのを見ることで確信できた。 気がついたら窓の外から見える景色は薄暗くなっていた。 夜中の3時から5時ぐらいまでの2時間は意識が軽く飛ぶ程度の睡眠をしていたらしい。 普段から短い睡眠時間には慣れているので、ふらふらしたりせず5時ぐらいにしっかり目覚めていた。 SAで外に出て朝の寒い風にあたると眠気なんて全くなくなってしまった。 外が明るくなったので、窓の外をみて景色を楽しんだ。かなりの田舎。 その辺の看板を見る限り福島県だった。ああ、もう少しだ・・・。彼女にメールを送った。 気がつけば信号がある。名神、北陸、上越、東北自動車道と経由して一般道路まで戻ったようだ。 信号で停車。街中は完全に都会。さすが仙台。 8月にみた仙台と特に変化はなかった。 時刻は朝の7時50分ぐらいか。仙台駅東口に到着。バスから降りる。 ・・・さむい。 彼女との約束の時間は9時。それまでにトイレで髪の毛を直して、朝ご飯を食べるつもりだった。 とりあえず駅に入り、時刻表をかっさらった(最近、電車の時刻表マニアになってます・・・) 待ち合わせ場所を確認。地下鉄の出口北。まずは駅のトイレに向かった。 髪の毛を短くしてからすぐに寝癖がつくようになっていたので、水で寝癖を軽く直した。 トイレから出て、朝マックにでも行こうとしたら、 目の前に見たことのある人が立ってこっちに合図を送っていた。 一瞬、頭が真っ白になった。 ・・・? ・・!! 「なんで固まってるのwww」 そんな風に言われたのかは忘れたけど、固まっていた。思考回路を一周したところで気付いた。彼女だ。 9時に待ち合わせのはずなのに・・・トイレから出た時に携帯が震えていたので確認。 彼女もはやく仙台駅に到着していたようだ。
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