事実は小説よりも奇なり

(ネット上で出会った人を好きになってしまった…?)


自分で自分を信じられない。(それは今になっても思う)
他の人がネットで恋愛をしているのを見て、自分は無いだろうと思い込んでいたから。
そんなことで自分がヒロインになるなんて、夢の話だろうって笑ってた。
でももう笑えない。物語は始まってしまったのだから。

会ったことの無い人。顔もまともに見たこと無い人。
ネットという騙し騙されあいの世界でもある空間で出会ったこと。
大阪と宮城という、物理的な距離…
いつ嫌いになるかも分からない不安。


―励みになるものは自分の信じる力、のみ。


辺りは本当に壁だらけ。進みたくても進めない。
四面楚歌とはよく言ったものだと思う。
その気持ちが分かった瞬間…だということは今付け足しておこう。
本当に分かったかどうかは知りません。
追い詰められるとこんな感じかーとかは分かった…のかな…

連絡を取り合おうと言ってくれた時、どんなに嬉しかったかは分からない。
その一方で決して逃れることの出来ない問題もあった。






(まだ…彼に正直な気持ちを伝えていない…)






彼はもう私のことを好きだ、という意思表示をしていた時だった。
「好き」という言葉ではっきりとは表現していなかったけど、
それと分かるような言葉で伝えてくれていた。
だけど、私は彼の意思表示に答えを見せようとはしなかったんだよね。


“肯定も否定もしないから不安になった。”


彼が後先のチャットで残した言葉。本当に申し訳なかった…
いい加減な気持ちでは言いたくなかったのも大きいし、
何より自分自身でまだ認められていなかったので、困惑してたんだと思う。



(いつかは彼の思いに答えなきゃいけない。)

(その時は…なんと言えばいいんだろう…)



彼とチャットしたり通話したりする以外でも、四六時中頭の中で考えてた。
が、なかなかいい言葉も思いつかないまま日々は過ぎていく。
当たり前だよね。こんなことに自分がなるだなんて想像してなかったんだから。
こんな時にマニュアルなんてあれば…とか何とか馬鹿げたことを本気で思ったり。
普段だったらそんなのに頼らない…これが困ったときの神頼み?
いや、そんなことどうでもいいんだよ。うん、本当にどうでもいい。
…なんてやりとりを心の中でしていたような…そうでもないような…


ある日のことだった。
いつものようにチャットをして、通話の流れになる。
でもその日は「いつものように」とはいかなかったんだ。

どんな流れになって、どんなきっかけがあったかだなんて全く覚えていない。
けど、すごく真剣な雰囲気だったと思う。




私「おいら卑怯だなァ・・・つくづく感じるorz」




通話しながらだったから…資料となるものが少ないんだけど…
自分の本当の気持ちを言えないままで自己嫌悪していた覚えがある。




私「自分の気持ちから逃げてる自分がどうしても嫌で嫌でしょうがないんですorz」

彼「でも俺もたぶんそうだよ 本当の気持ちも分かってないのかも 分かってるけど分かってないフリをしてるのかも^−^;;」






(これじゃ駄目だ…)





伝えなきゃ。彼もきっと答えを欲しがっているだろう。
そして何より自分自身のために…
逃げちゃ駄目だ。逃げてても同じならいっそこのまま…




私「あんまり滞らすとあれだから言います 正直私も、影さんと同じ気持ちなんでしょう・・・」





言ってしまった。とうとう言っちゃったんだ。
恥ずかしいやら、なんとやら…少しの達成感もあったかもしれない。




彼「^^」

彼「ま、100回ぐらい言うけど もっとお互い知ろうぜ^−^」

彼「知るのは過去じゃないぜ!!  今の自分たちだああああああ」




うん、そうだねっと心の中で頷いた。
彼の反応を見て初めて、言ってよかったなぁと思えた。
これでもし失敗したってその時はその時。
まだまだ修正は利く時期だから、ゆっくりやりましょうという話もした。




彼「まかちゃん ありがとね」




チャットに現れた感謝の言葉。
たったこれだけなのに、無性に嬉しくなった。
まだまだ口にするには気恥ずかしい時期だったんだよね。
それでも十分だった。十分すぎるぐらいだったよ。

ちなみにお互いの名前を交換したのもこの時。
本名を知って、一気に現実味を帯びたことを感じた気がする。


(ネット上だけの人じゃない。彼は実在しているんだっ!)


少しだけ、ほんの少しだけ。
彼との距離を縮められた気がした出来事。


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本当の気持ちほど雰囲気で察するのは難しい

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