別れでもないのにそういうムードになるのが性(前)
あっという間に3月の下旬も終わろうとしていた。 3月が終わる―つまり、毎日のようにはチャットや通話は出来なくなるということ。 自分で決めていたことだったから、覚悟というものはしていたのだろうけど… いざ、その日が近づいてくるとなると本当に嫌で嫌で仕方がなかった。 でもけじめはつけなきゃと分かっていたから… 4月は週1回、5月は月に3回ぐらい…と、当初では減らしていこうとしてたんだ。 (後々そう上手くはいかなくなってくることになるんだけどね。) だから、これが最後でもない。そして受験が終わったら戻ってこれるんだよ。 完全に場所を失うわけじゃないのに、どことなくそんな気がしてしまった。 これもある意味マイナス思考によるものなのでしょう… “当たり前のことになっていたものが、急になくなってしまったら…?” 考えたくもなかったし、自分がそんな立場になるなんて思ってもなかった。 ましてやネットで大切な人を見つけることになるとは… 別に後悔なんてしてないんだけど、やっぱりまだ信じられなかったね… (と、1年経った現在でも思ってしまうのだからどうしようもない。) うーん、これは予想外な番狂わせでしたとも、ええ。 自重1段階目への到達直後まで、私たちのすることは変わらなかった。 適当なネタで盛り上がり、通話しつつチャットし、時にはいちゃついたり… うん、それでいいんだよね。わざわざ終わってしまうような話題なんていらない。 楽しければそれでいいもん。…という精神だったかは定かではないがな。 まぁわざわざ言わなくても、そんなことまで伝わっていた気がする。 というか自分からばらしていた気がする…そんなもんです。(´・ω・`) 3月の末になると、彼は高校最後の演奏会ということで練習に出て行くようになった。 それでも夕方頃には帰ってきていたから、そこからチャットという流れは変わらない。 3月30日。その日が彼の演奏会の日でもあった。 多分チャットはできないと思う。そう彼が告げた。 もちろんそうなることは予想済みだったから、さほどがっかりはしなかった。 …まぁ、それでも残念だなって思うところはあったけどね。 そう感じるまでに思いが大きくなっていた証拠だったのかもしれない。 ごねるようなことはしない。分別を失ったわけではないからね。 頑張ってきてね、という言葉を代わりに送ることにした。 演奏会の当日もメールは交わした。もちろん応援メッセージは添えて。 その日、私はラジオをすることに。丁度彼の演奏会が始まる時間だ。 ラジオを始めて少し経って、彼からのメール。 待機中なのにわざわざラジオ頑張れっていう内容だった。ちょっと笑った。 ちなみに私がラジオをやっていることは通知でバレてしまう。 狙ったんだと思う。定かではない。 ラジオが終わり、いつもの流れで会議へと向かった。 当時はラジオが終わったら会議をするのが主流だったからね。 懐かしいなぁ…また近いうちに皆で話したいものだけれども。 まぁそれはおいておくとして、皆で会議している中、私はある期待を抱いていた。 もしかしたら彼と話せるかもしれない、という淡い希望。 ここで期待を裏切ってくれないのが彼だ、とか何とか思っちゃったり。 何が上手くいっている原因なのかは分からないが、こうも上手くいくものか。 日付が変わるか変わらないかの瀬戸際。彼がスカイプにログインしてきたのだ。 もちろん私たちの会議に参加。おや、思い通りの展開になってしまったよ。 そのままとんとん拍子…という言葉であっているのかいないのか。 結局出来ないと思っていた通話でさえも実現してしまった。 思いがけない幸運にちょっと驚き。でも嬉しい。 結局、今宵も長いこと通話を楽しんだのでありました。 ―そして、自重の日はすぐさまやっていくる。
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